恋の訪れ
「うーん…考えた事ないけど多分ずっと」
「ずっと!?」
「うん」
「つかそれやめねー?」
ため息を吐き捨てた先輩はタバコを灰皿に押し潰し、あたしの顔を覗き込んだ。
「じゃなんて呼ぶの?」
「なんてって、名前でいいだろ」
「えー…呼べないよ」
「なんで?」
「何でって、もうこれで慣れたし今更変えれないよ…」
「じゃあ卒業するまでな」
「えー…」
「えー…じゃねーよ」
渋るあたしに昴先輩は呆れた笑みを浮かべる。
卒業するまでって、言ったけど本当に多分、無理だと思った。
呼ぶだけで多分、ドキドキすると思う。