恋の訪れ
「で、なんでそんな事聞くのよ?」
お姉ちゃんは不思議そうに首を傾げる。
「別に…」
これ以上話すと、また馬鹿扱いされるって思った時、
「あー、もしかして、あんた。自分の能力に今更気づいたわけ?」
なんて、やっぱり嫌味を言われた。
「だからー、そんなんじゃないし」
「昴があまりにも頭いいから自分にショック受けてんだ」
「……」
「あー、ほら図星じゃん」
「……」
そんなケラケラ笑ってるお姉ちゃんにため息が出る。
だけど、真理子同様…お姉ちゃんの言った事も正論だから何も言えなく、悲しさに落ちた。
「でも、いいんじゃないのー?昴、馬鹿な女好きだから」
「なにそれ!」
「ほらあるじゃん。頭の賢い女は結構ちゃんとしすぎて難しいってさ、」
「お姉ちゃん、何が言いたい訳?」
「だから昴には馬鹿みたいな女がいいって言ってんの。莉音、選ぶくらいだから昴もある意味、相当な馬鹿なのかもね」
「ひどいっ、」
「あー、でもあれだよ?あたしは昴みたいにあそこまで頭がいい男は苦手なの。いつも喧嘩しそうだし」
「はいはい。ところでさ、美咲さんの旦那さんって今も凄いけど昔から凄かったのかな?」
「あー…翔さん?カッコいいよねー、物凄いダンディーだし素敵だわ」
「うん、そだね」
温かいレモンティーそマグに注ぎ、お姉ちゃんの隣に腰を下ろす。
お姉ちゃんは、さっきまで触り続けていた携帯をテーブルに置くと、頬を緩めた。