恋の訪れ
「って言うか、ママが言ってたけど、翔さんの若い頃と昴がそっくりって言ってたよー」
「うん、聞いたけど」
「もう昴がホストなんてしてたら莉音、耐えられないよね。毎日、泣きまくりじゃんか!毎日、店の前で待ってそー」
「そんな事しないし」
「するよ、あんたは絶対に」
「しないってば」
「する」
「しないって!」
「あんたすぐに表情にでるもん」
「でないし」
フンっとソッポ向いてリビングを出た。
自分の部屋に入ってベッドに倒れ込む。
ボンヤリと天井を見上げて、目を瞑った。
もう、ほんとにお姉ちゃんムカつく。
優しかったのなんて入院してる時だけだった。
だからと言って、もうしたくないけど。
って言うか、昴先輩のパパって、そんな凄い人だったんだ。
美咲さんも凄いし、何だかんだ言って、先輩も凄いしな。
そんな昴先輩に会いたいと思った。
だけど、会えたのは2週間後、もう一月が終わろうとする頃だった。