恋の訪れ
張り裂ける心

久し振りに昴先輩と会えたと思ったら何故か、いつものフルメンバーでアミューズメント広場に居る。

こうやって皆で会う事も少なくなるからって、何故か真理子に連れられてきた。

別にあたしはいいのにって思った。


初めの方からすると絶対にありえないと思ってたけど、今じゃ昴先輩と二人のほうがいいって思った。

こんなにも好きになってしまうなんて思ってもみなかったけど。

でも、やっぱ来なけりゃ良かった。


「やだー、うそぉー。莉音ちゃん昴先輩と付き合っちゃったの?」

「ま、まぁ…」


両頬に手を添えて、色気をだすユミちゃんに、苦笑いで返す。


「あんなに弘晃の事想ってたのに、やっぱ昴先輩のテクで落ちたんだ」

「…テクって何?」

「もぉ莉音ちゃんったら。あれだよ、夜のほう…」


耳元で呟いて来るユミちゃんに、「え、えぇっ、違うよ?」なんて返すもユミちゃんは一人でノロケモードに入ってた。


「ほんっと先輩達みんなイケメンだよね。あたしのね、周りでも皆言ってるんだ」

「へー…」


空きソファーに座って、ビリヤードに夢中になるタツキ先輩と昴先輩を見つめる。

その横で真理子は楽しそうに笑ってた。

もう一つの台では香澄先輩とサクヤ先輩が球を弾いてた。


「ねぇ、ユミ達来てよ」


遠くのほうから手招きをしてくるユミちゃんと同じ学校の子達とあと先輩たちの友達。


「何か呼んでる。行こうよ莉音ちゃん」

「あたしはいいや。ユミちゃん行ってきていいよ」

「そう?じゃあ行くね」


もう既にどれくらい居るのかも分からない所為か、疲れる。

ソファーに深く背をつけて、目の前のテーブルに置いていた飲み物をそっと掴んだ。










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