恋の訪れ
「あれ?だって昴とホテル行ったんじゃねぇの?」
「えぇっ!行ってないです!!」
…何でそーなってんの?
どこでどーそーなったわけ?
意味分かんないんだけど。
「え、そーなの?」
「そーです。何でそーなってんのか知らないですけど、何もないです」
「なーんだ。いつの間にか2人消えてるしさ、その挙句、昴が自転車貸せって言ってきたからてっきり仲良くやってんだと思った」
自分の予感が外れたことにガッカリするサクヤ先輩は、「つまんね」と、まで小さく吐き出す。
いやいや、つまらないって何ですか?
…って、言うか。
「あのー…」
「うん?」
「自転車は何に使ったんですかね?」
「は?…んな事、知らねぇよ。だからさ、俺は2人で行っちゃったのかと思ったの」
「いやいや…」
なんでこのあたしが昴先輩と何処かに行かなきゃいけないのよ。
って言うか、そんな事よりも早くサクヤ先輩と離れたくて仕方がない。
周りの視線があたし達に向いて、何であの子がサクヤ先輩と?ってな感じで見られてる。
昴先輩と違って派手なサクヤ先輩だからこそ視線が激しく突き刺さる。
サクヤ先輩は馬鹿だから気付いてないのか、それとも気付いてるけど関係ないって思ってるのか分からないけど、早くあたしは離れたくて仕方がない。