恋の訪れ

食べ終わった後、本当にタツキ先輩が支払ってくれた。

ちょっと悪いかな?なんて思って払おうとしたけど、先輩がいいよ。なんて言ってくれたから、タツキ先輩が物凄く良い人に見えた。

そしてその3日後、久しぶりに昴先輩が会おうなんて言ってきたから、物凄くはしゃいでしまった。

学校から帰宅してすぐに滅多にあたしの家に来ない昴先輩が来た。


でも、入って来た瞬間、物凄く深いため息を吐かれた。


「…昴先輩、疲れてます?」

「疲れてる」

「勉強しすぎですよ」

「そっちじゃない。これにだ、」


目の前に突き付けられた一枚のレシート。

その上にはでっかく″領収書″と書かれている。

だけど値段だけで何も品名が書かれていない。


「なんですか、これ?」

「何かわかんねーのかよ。日付みろよ」


ジックリと見つめると3日前。

…3日前。何かあったっけ?

ちらっと昴先輩をみつめると眉間に皺を寄せてあたしをジッと見てた。


「えっと…3日前ですよね…えっと、」

「何処に行ったこの日。誰と、何処に?」

「…あっ、」


ジックリとレシートを見ていると、店名で分かった。

それは3日前、真理子達と行ったケーキ屋さんで…


「思い出したか?」

「あ、うん…ケーキ食べに行った。え、でもなんで昴先輩が持ってるの?」

「6690円。タツキが俺に請求してきた」

「えぇっ!?」


思わず声を上げ、目を見開く。
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