恋の訪れ
時間が経つごとに連れて、やっぱり寂しさが膨れ上がってくる。

ふとした時に寂しくなる。


昴先輩が行ってしまってから、まだ3週間しか経ってないのに、寂しくなる。

こんな調子で5年も待てるわけがない。


だから最近の日課が好きなものを食べて幸せになると言うあたしの何とも言えない馬鹿げた日常になってて。


「あ、気分、悪い…」


今日の昼食は真理子と食堂でたくさん食べてしまった。

そこに香澄先輩も、サクヤ先輩も、タツキ先輩も居たから、みんなで盛り上がって、たくさん食べてしまった。

だからそれが今となって、気分を悪くさせる。


帰り道。

真理子と別れて、あたしは一人繁華街の道を歩いてた。

特に何をするって訳でもない。

ただ、ひとりでぼんやりと繁華街の街を歩いて、そこに並ぶショーウインドーを見る。


「…綺麗だなぁ」


ガラス張りから見えるジュエリーの数。

そのショーウインドーを見つめてると自分の姿も映って、あたしは首元に輝くネックレスを握りしめた。



「…昴先輩」


小さく呟く。

いつも楽しくて、会いたいときに会えて、そんな日常が今はない。

苦しい。

なんでこんなに寂しくて、苦しくて、どうしようもないんだろう。


それはあたしだけなのかな？

先輩、あたしはもう会いたいよ。

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