恋の訪れ
「それにケーキ買ってくれるって言ったのに買ってくれないじゃん」
「じゃあ、ご主人様、ケーキ買ってくださいって言えよ」
「はぁ?なに言ってんの?馬鹿じゃないの?」
「馬鹿にバカって言われたくねーよ」
あたしの張り叫んだ声にグッと聖君の顔があたしに近づき、目の前で呟かれる。
悔しいけど端正な顔がムカつく。
その所為でちょっと顔を後ろに引くと、聖君はフッと頬を緩めた。
「お前、また俺の事、兄貴だと思っただろうよ」
「思ってないよ」
「お前、俺に惚れんなよ」
「は?なに言ってんの?ねぇ、真理子ぉー…」
隣の真理子の腕をグイグイと引っ張る。
だけど真理子はケラケラ笑って「聖君、マジで最高だわ。おもしろー」なんて言ってさらに笑い声を上げた。
「ねぇ、先輩。俺の事、考えてくれました?」
そしてグッと寄ってきたもう一つの顔。
いつの間にか目の前に伊吹くんが居て。
「先輩、俺の事、好きになってよ」
なんて言いながら微笑む伊吹くんに真理子は「両手に華だわ」なんて呟いている。
案の定、聖君はおもしろそうにあたし達を見るだけで――…
「なりません」
きっぱりと伊吹くんにそう伝えた。
「あー…莉音先輩、絶対後悔します」
「しないよ」
「別に聖の兄貴と付き合っててもいいからさ、俺とも付き合っちゃえば」
「いや、ダメでしょ」
「あれっすねー…案外、先輩って真面目なんすね」
「普通だから、伊吹くんがおかしいの」
「あー…俺?よく言われるっす」
「だろーね」
「別に、セックスしよって誘ってんじゃないし、よくね?」
「え、あ、ちょっ、な、なに?もぉ…訳わかんないんだけどぉー…」
「ハハッ、先輩、かわいいっすね。なぁ、聖、なんか奢れよ」
「は?お前金持ってんだろーが」
「今日持ってきてねーの」
「あ?なにすんだよ、」
そう言って立ち上がって足を進めていく二人にため息を吐き出す。
「じゃあ、ご主人様、ケーキ買ってくださいって言えよ」
「はぁ?なに言ってんの?馬鹿じゃないの?」
「馬鹿にバカって言われたくねーよ」
あたしの張り叫んだ声にグッと聖君の顔があたしに近づき、目の前で呟かれる。
悔しいけど端正な顔がムカつく。
その所為でちょっと顔を後ろに引くと、聖君はフッと頬を緩めた。
「お前、また俺の事、兄貴だと思っただろうよ」
「思ってないよ」
「お前、俺に惚れんなよ」
「は?なに言ってんの?ねぇ、真理子ぉー…」
隣の真理子の腕をグイグイと引っ張る。
だけど真理子はケラケラ笑って「聖君、マジで最高だわ。おもしろー」なんて言ってさらに笑い声を上げた。
「ねぇ、先輩。俺の事、考えてくれました?」
そしてグッと寄ってきたもう一つの顔。
いつの間にか目の前に伊吹くんが居て。
「先輩、俺の事、好きになってよ」
なんて言いながら微笑む伊吹くんに真理子は「両手に華だわ」なんて呟いている。
案の定、聖君はおもしろそうにあたし達を見るだけで――…
「なりません」
きっぱりと伊吹くんにそう伝えた。
「あー…莉音先輩、絶対後悔します」
「しないよ」
「別に聖の兄貴と付き合っててもいいからさ、俺とも付き合っちゃえば」
「いや、ダメでしょ」
「あれっすねー…案外、先輩って真面目なんすね」
「普通だから、伊吹くんがおかしいの」
「あー…俺?よく言われるっす」
「だろーね」
「別に、セックスしよって誘ってんじゃないし、よくね?」
「え、あ、ちょっ、な、なに?もぉ…訳わかんないんだけどぉー…」
「ハハッ、先輩、かわいいっすね。なぁ、聖、なんか奢れよ」
「は?お前金持ってんだろーが」
「今日持ってきてねーの」
「あ?なにすんだよ、」
そう言って立ち上がって足を進めていく二人にため息を吐き出す。