恋の訪れ
「聖くんってさ、昴先輩と全然違うよね?」

「お前だって香恋さんと全然違うじゃねーかよ」

「うん。…そだね」


うん、違う。

まったく違う。

似てるところ探しても、きっとない。


「莉音、美咲、じゃーなー」


繁華街につくと、聖君はそう言って、ヒラヒラ手を振って街に消えていく。


「ほんとにあの子は…」


なんて呟く美咲さんに、苦笑いが漏れた。

いつもの美味しいケーキ屋さんで美咲さんが4つも買ってくれた。

ママとお姉ちゃんにもどうぞって。そう言って買ってくれた。


その後、家まで送ってもらった後に、速攻食べると、やっぱり美味しかった。

だから、つい頬が緩んでしまった。


あと、5年。

あと、5年。


そんな事を思いながらただ、過ごす日々――…
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