恋の訪れ

「普通なるでしょ。あんなイケメン先輩と昨日一緒だったんだから嫉妬くらいあるでしょ?」

「残念ながらないですね…」

「って、あー!!アンタ、また弘晃見てるっ!」

「ちょ、真理子痛いって!」


ギューっと真理子に右耳を引っ張られ、その耳を軽く擦る。


「莉音、弘晃は卒業しなさい」

「出来てたらしてるよ」

「だから言ってるでしょ!新しい恋も必要だよーって」


真理子は微笑みながらあたしの顔をグイっと先輩のほうに向けた。


「なんで先輩なの?…先輩は嫌だ」


だって悪魔だもん。

あんなに女にベッタリしちゃってさ。


ま、女が先輩の右腕にベッタリくっ付いちゃってるんだけど…


ほんと、馬鹿みたい。

この女ったらし!!


「タツキが言ってたんだけどさ、昴先輩って相当モテルらしいよ」

「へー…」

「違う学校の女達もさ、好きなんだって」

「ふーん…」

「わざわざ違う学校から見に来るって、凄いよね」

「さぁ…」


だから何?

そんなのどうでもいいし。

ほんと、興味ない。

その考えてる時間があたしは勿体なく思う。
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