恋の訪れ

振り返ると覗き込むようにサクヤ先輩が居て、あたしの表情が真っ青になっていくのが分かる。


「あ、え…み、見ました?」

「見えた。2…」

「ギャー、言わないで!」


声を張り上げて、思わずサクヤ先輩の肩をグラングランと揺らした。

そして慌てて辺りを見渡す。


「つか俺でもそんな点数とった事ねーよ」


はいはい、そーですか。

悪かったですね。

あ、でも。


「先輩って、英語得意ですか?」

「ううん」

「でも、ある程度なら出来ますよね?」


ニコっと微笑むあたしとは別にサクヤ先輩の表情が曇る。


「え、なに?俺に教えろっつってんの?」

「一人じゃできなくて…」

「あー、そだな。セックスは一人じゃできないもんな」

「えぇっ!?」


声を上げて一歩下がる。

ヤバイ、そうだった。


サクヤ先輩って危険な人だったんだ。

むしろこんな所で話してちゃマズイ。


この先輩と。


先輩はさっきとは裏腹に口角を上げて微笑んでいる。


やっぱ危険!!
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