恋の訪れ
だからかも知れない。
あたしも彼氏作っちゃおうって乗りで、ホイホイ乗っかってしまったのかもしれない。
だけど、あたしは彼が好きだった。
でも心が正直なのか、ただの面倒なのか、あたしは恋に向いてないって、そう思ってしまった。
毎日会うのが面倒だって、事に気づいてしまった。
彼が出来たことに、「良かったな」なんてヒロくんは他人事みたいに言う。
それに対してもイラっとしたし、ヒロくんはあたしには眼中にないって事。
やっぱ甘ったるい女王が好きなんだと。
そう、ヒロ君の彼女はまさしく女王だ。話し方もあたしは好きじゃない。
どっから声だしてんのかも分んない声を出すし、こっちから見てると汚らわしいにしか過ぎない。
「…―――ヒロ君のやろー…」
思わず口に出してしまった呟きに香澄先輩は、
「次、探しなよ」
なんて、また大人っぷりを見せてくる。
まぁ、香澄先輩は大人。
他校に通う高校3年生。
こーやって話すきっかけを与えてくれたのも、今まさにまだ笑っている真理子繋がり。