恋の訪れ
過去から現在
自分でもビックリするほど頑張った。
多分きっと今まで以上に頑張ったと思う。
昴先輩に教えてもらうのは偉そうでムカついたけど、でもその昴先輩のお陰で助かったんだと思った。
あの日から1週間、頑張った結果。
放課後に返された再テストの用紙には赤いペンで76点と刻まれている。
「きゃー、莉音凄いじゃん!なんか莉音に惚れちゃいそー」
ギューっと抱き着く真理子に、なんだか自分までワクワクする。
「ほんとに良かったよー嬉しすぎー」
「ね、早く昴先輩に見せてきなよ。さっき中庭歩いてたよ」
「うん、うん。行ってくる」
昴先輩に見せる為に、あたしは急いで走った。
気分上昇って、きっとこの事なんだろうと思った。
なんたって合格した事によって、香澄先輩にはケーキ奢ってもらえるし、それに昴先輩から、もう“お前”なんて呼ばせない事だった。
でもそう思ってた矢先の事。
やっぱり先輩は悪魔だった。
昴先輩だ!と後ろ姿を見つけて、近くまで駆け寄った、その前にまた女が居た。
この前の女なのかどうかは、分かんない。
でも、昴先輩の前で、女が泣いてた――…
そう初めて見た、あのコンビニと同じ様に…