かわいい王子VS鈍感な姫

一番上まで来ると、真知ちゃんは口を開いた。


「七海くん、あたし知ってるの。」


な…何を!?


俺、なんかしたっけ…?


「七海くんが柳川先生に告られてフったこと。」


…え!?


「何で知ってるの…?」


「柳川先生、本人から聞いたの。実はね、柳川先生はあたしの姉なんだ。」


真知ちゃんが柳川先生の妹!?


「で…でも、郁が『真知ちゃんは柳川先生と同じ名字だけど赤の他人』って言ってた…。」


「みんなには内緒にしてるからね。で、ここからが本題なんだけど…お姉ちゃんはたぶんまだ七海くんを好きだと思う。」


まだ…俺を…?


「あれから1ヶ月以上経ってるのに…?」


「そんな簡単に気持ちは変わらないよ…!この前、寝言で七海くんの名前を言ってた…。七海くん…お姉ちゃんの気持ちにはどうしてもこたえられない?」


真知ちゃんの気持ちはわかる…


わかるけど…


「こたえられないよ…。柳川先生に好きな人がいるように、俺にも好きな人がいる。それに、先生は俺の好きな人を知ってるんだ。」


真知ちゃんは驚いている。


先生…それは言わないでくれたんだ…。


< 102 / 204 >

この作品をシェア

pagetop