かわいい王子VS鈍感な姫
一番上まで来ると、真知ちゃんは口を開いた。
「七海くん、あたし知ってるの。」
な…何を!?
俺、なんかしたっけ…?
「七海くんが柳川先生に告られてフったこと。」
…え!?
「何で知ってるの…?」
「柳川先生、本人から聞いたの。実はね、柳川先生はあたしの姉なんだ。」
真知ちゃんが柳川先生の妹!?
「で…でも、郁が『真知ちゃんは柳川先生と同じ名字だけど赤の他人』って言ってた…。」
「みんなには内緒にしてるからね。で、ここからが本題なんだけど…お姉ちゃんはたぶんまだ七海くんを好きだと思う。」
まだ…俺を…?
「あれから1ヶ月以上経ってるのに…?」
「そんな簡単に気持ちは変わらないよ…!この前、寝言で七海くんの名前を言ってた…。七海くん…お姉ちゃんの気持ちにはどうしてもこたえられない?」
真知ちゃんの気持ちはわかる…
わかるけど…
「こたえられないよ…。柳川先生に好きな人がいるように、俺にも好きな人がいる。それに、先生は俺の好きな人を知ってるんだ。」
真知ちゃんは驚いている。
先生…それは言わないでくれたんだ…。