かわいい王子VS鈍感な姫
「七海くん…七海くんが郁ちゃんを好きって気付いてたのにお姉ちゃんのこと言ってごめんね…。」
真知ちゃんはお姉ちゃん思いのいい子だな…。
「真知ちゃんはお姉ちゃんが心配だから言ったんだろ…?誰でもそういうことはあるんだから、気にしないで?…ね?」
俺は笑って言った。
「ごめんね…ありがとう…!」
さっきまで申し訳なさそうにしていた真知ちゃんは、俺の笑顔にこたえ微笑んでくれた。
話し終えた俺たちは各教室に戻った。
教室に戻る前に真知ちゃんが言ってくれた言葉を自分の頭の中でリピートさせる。
『郁ちゃんのこと…大変だと思うけど頑張ってね!応援してるから!』
真知ちゃんありがと…。
大変だけど…頑張らなくちゃな。
そう思いながら自分の席に着いた。
「な~なみッ!」
やたらとテンションの高い声で寄って来た。
声の主は隼人だ。
隼人の横には良平がいる。
「ん?」
「さっき七海を呼んだのって、郁ちゃんの友達の真知ちゃんだよな?」
「そうだけど…?」
隼人は何が言いたいんだろう。