かわいい王子VS鈍感な姫

「さっき、友達と話してたんだけど…七海くんの嫌がることはしない・言わないっていう『ファンのルール』が出来たんだってさ。」


嫌がることはしない・言わない…


かわいいって言われなくて、うれしい…!


けど『ファンのルール』って…どういうこと?


「じゃあ、七海のファンクラブはある?」


「良平くんが今言ったこと、あたしも思ったの。だから、友達に聞いて…返ってきたのは…」


「「「返ってきたのは…?」」」


雫がためているため、変な緊張が走る。


「森七海ファンクラブは隠れて存在してるんだって!しかも4月からあったらしいよ?」


隠れて…か。

…それに『かわいい』って言わないし。

いいファンじゃん。

ふぅ。

よかった~。


ファンはファンでも郁にあまり危害を与えなさそうなのでホッとしている俺の横で、隼人は目を輝かせて言った。


「マジで!?七海すっげ~!」


隼人だけじゃなく、雫も『すごい!』と言っている。


いやいや、俺は普通に暮らしてるだけなんだけどな…。


「七海ってすごいよな?良平?」

良平は1回うなずいた。


そして、うなずいた後にこう言った。


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