かわいい王子VS鈍感な姫

「…七海と良平と郁ちゃんっていつから一緒にいるんだっけ?」


隼人はいきなり聞いてきた。


「俺と郁は生まれた時からで良平は小学生の時からだけど…?」


「うんうん」と良平もあいづちをうつ。


なんでこんなこと聞くんだろう?


「お前ら3人ともすげぇよ!3人一緒にいるのは運命だろ!」


運命って…言い過ぎなんじゃ…。


『すげぇよ…』と言っている隼人の横で雫が静かに口を開いた。


「顔もよくて頭もよくて…運動神経も抜群!そんな完璧な七海くんと良平くんと…あたし、仲良くしてていいのかな?住む世界が違うかも…。」


…雫…。


雫はいつも明るくて男女構わず誰とでも仲良くなるやつだ。


そんな雫がこんなこと言うなんて…。


「俺も七海も完璧なんかじゃないよ…?というより、この世に完璧な人なんていないと思うんだ。」


「良平の言う通りだ。俺は雫からしたら完璧に見えるかもしれない。でもそれは努力したからこそ、そう見えるんだ。努力する前から完璧な人なんていない。…雫?住む世界はほら…みんな一緒だろ?」


そう…。

努力する前はみんな同じスタートラインに立ってるんだから…。


< 109 / 204 >

この作品をシェア

pagetop