かわいい王子VS鈍感な姫
「…七海と良平と郁ちゃんっていつから一緒にいるんだっけ?」
隼人はいきなり聞いてきた。
「俺と郁は生まれた時からで良平は小学生の時からだけど…?」
「うんうん」と良平もあいづちをうつ。
なんでこんなこと聞くんだろう?
「お前ら3人ともすげぇよ!3人一緒にいるのは運命だろ!」
運命って…言い過ぎなんじゃ…。
『すげぇよ…』と言っている隼人の横で雫が静かに口を開いた。
「顔もよくて頭もよくて…運動神経も抜群!そんな完璧な七海くんと良平くんと…あたし、仲良くしてていいのかな?住む世界が違うかも…。」
…雫…。
雫はいつも明るくて男女構わず誰とでも仲良くなるやつだ。
そんな雫がこんなこと言うなんて…。
「俺も七海も完璧なんかじゃないよ…?というより、この世に完璧な人なんていないと思うんだ。」
「良平の言う通りだ。俺は雫からしたら完璧に見えるかもしれない。でもそれは努力したからこそ、そう見えるんだ。努力する前から完璧な人なんていない。…雫?住む世界はほら…みんな一緒だろ?」
そう…。
努力する前はみんな同じスタートラインに立ってるんだから…。