かわいい王子VS鈍感な姫

「で、郁ちゃん…用事は?」


「あっ、そうそう!えっと…部活のことで来たの。今日は先輩たちが補習だから、1年だけの練習になるって!」


1年だけか…。


どんな練習するんだろう…。


「…ちゃん!ななちゃん!」


「え!?」


「『え!?』じゃないよ~!ななちゃん、ちょっと来て!」


「へ…?」


俺は郁に、さっき真知ちゃんと話していた場所と同じ場所に連れて行かれた。


…何…?


「あのね…」


ま…まさか、彼氏ができたとかじゃないよな…?


ドキドキ…


「郁ね…大人になるから!」


…はい?


…はい?


「な…なんだよ、いきなり!」


ほっ…。


彼氏じゃなくてよかった~!


「郁なりに前から考えてたの。高校生にもなって今のままじゃ子供だなって。」


今のままでもいいと思うんだけど…。


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