かわいい王子VS鈍感な姫
1位との差が5mまで縮まった時、隼人は雫にバトンを渡した。


雫…大丈夫だからな!


雫はさっきこけた場所も通りすぎ、けがをしたとは思えない走りを…

雫本来の力を…みせた。


隼人が縮めた距離をまた縮め、良平にバトンがまわる。


良平…思いっきり走れ!


良平はすぐ1位の人を抜かし、そして差を広げていった。


良平の走りを見てると、本当に気持ちいい。


気持ちが楽に、軽くなる。


堂々の1位で…ゴール!!


ゴール地点にいる良平の所へ集まり、ハイタッチをして喜びあった。


席へ帰ると、1組みんなが祝福してくれた。


「七海!おめでと!」


郁がひょこっと視界に入ってきた。


満面の笑みで。


「あ…ありがと////」


いきなり満面の笑みを見せられ、顔が赤くなってしまった。


不意打ちだし…!


「七海、顔赤くない?大丈夫?」


郁は平然と聞いてくる。


「あ…暑いからだから、大丈夫だ。」


本当は郁のせいだからな…!


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