かわいい王子VS鈍感な姫
翌日━


本来、2・3年生は休みの入学式。


しかし、俺は入学式に出席しなければならない。


良平と郁は休みのため、俺1人で学校に向かう。


あー面倒くさ…。


昨年、入学生代表したからってなんで行かなきゃならないんだよ…。


そう思いながら俺はとぼとぼ歩いていた。


「あれ?もしかして…なな兄?」


横から声が聞こえた。


見ると女の子がいた。


「やっぱり、なな兄じゃん!背が伸びててわかんなかったよ~!」


なな…兄…?


確か、俺のことをそう呼ぶのは1人。


「ゆ…結芽!?」


そこにいる女の子は俺の知ってる結芽ではなかった。


俺が中3の時の結芽はどっちかというと外見はおとなしい感じで、背は俺と同じくらいだった。


でも、目の前にいるのはケバいまではいかないが化粧をしている俺より少し小さい女の子。


背は俺が伸びたからだろうけど…


良平の言う通り、顔が違う…!


「なな兄、結芽だって気付くの遅いよ!」


「ごめん…。だって、結芽が化粧してるの初めて見たし…。」


じっくり見ても、1年前の面影があんまりない…よな…?


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