かわいい王子VS鈍感な姫
「なな兄は結芽のこと…良兄の妹としか見てないよね…?」


…え?


「結芽もなな兄と同じように、なな兄は良兄の友達としてしか見てない…。違うよ、なな兄…。」


「ち…違うって…え?」


結芽は良平の妹で、俺は良平の友達…


そうじゃないの!?


「結芽は…ずっと前からなな兄が好き…!」


結芽が…俺を…ずっと前から…好き…?


「結芽…俺…んっ…。」


口を結芽の手によって閉ざされた。


「まだ言わないで?入学式に泣き腫らした目で出たくないの…。今日の夜、公園で聞かせてもらっていい?」


結芽…。


「うん…。わかったよ。」


「7時にあの公園にね。じゃ…!」


結芽は走っていった。


ちっとも気付かなかった…。


結芽を傷つけてしまうんだよな…。


『七海の前では結芽はいい子だろうけどな…』


ふと思い出す。


もしかして…良平は知ってたのか?


結芽が俺を好きなことを…。


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