かわいい王子VS鈍感な姫
昨日考えていたことの答えは明らかになったものの、そこからまた新たに考えることがうまれた。


夜7時…


なんて言ったらいい…?


入学式の間、ずっと考えた。


校長の話、PTA会長の話…


耳に入ってこなかった。


1時間以上考え、今日は自分の中で答えをだした。


『ちゃんと話す』


好きな人はいないとか付き合っている人がいるからとか、嘘はつきたくない。


余計傷つけてしまうから…。


結芽に聞かれるまま正直に答えるんだ…。


…約束の7時まであと少し…


俺は公園に着いた。


ブランコに座る人影が見える。


「…結芽…?」


「なな兄…。」


俺の方を見た結芽は1年前の結芽だった。


「来てくれてありがとう…!座って?」


俺は隣りのブランコに座った。


「結芽、スッピンじゃん。」


「バレたか…。お風呂入っちゃったから面倒くさくって!…それより、今朝は変なこと言ってごめんね…!」


結芽…ごめんなんて言わなくていいよ…。


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