かわいい王子VS鈍感な姫
「俺こそ結芽の気持ち気付かなくてごめん…。でも、言ってくれてうれしかったよ?」


告白されてうれしくないなんて…絶対ない…!


「なな兄…結芽を彼女にはしてもらえないよね…?」


正直に言うって…決めたんだ。


「うん…ごめん…。俺、好きな奴いるんだ…。」


結芽は下を向いた。


しばらくして下を向いたまま言った。


「誰か聞いてもいい…?」


「…郁だよ。結芽もよく遊んでた…。」


「やっぱりかぁ…。」


うん…そうなんだよ…。


って…


「…へ?や…やっぱりって、どういうことだよ!?」


「なな兄、中学から郁ちゃん好きだったでしょ?なな兄見てたら、視線は郁ちゃんばっかりだったもん。」


結芽にも良平にも柳川先生にも…おまけにおばさんにも気付かれてる俺の気持ちって…。


ガクッと肩を落とした。


「なな兄?1つ聞いてもいい?」


「ん?何?」


俺は姿勢を元に戻して答えた。


「さっき郁ちゃんに会ったの。じゃあ、なな兄のこと『七海』って。前は『ななちゃん』だったよね?」


よく覚えてるなぁ。


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