かわいい王子VS鈍感な姫
「七海~!学校行こ~!」


「おう!」


毎朝郁が迎えに来ることは2年になっても変わらない。


「七海!郁ちゃん!おはよ!」


「「おはよう!」」


良平が途中から合流するのも変わらない。


でも、1つ変わったことがある。


「郁ちゃん!なな兄!おはよう~!」


良平の後ろからひょこっと現れたのは結芽。


そう。


結芽も一緒に行くんだ。


「「おはよう!結芽(ちゃん)!」」


再び学校へと向かう。


俺と良平・郁と結芽でしゃべる。


「良平は知ってたんだよな?結芽の気持ち。」


後ろにいる郁と結芽に聞こえないよう言う。


「知ってたけど…まさか…!」


俺はコクンとうなずく。


「そっか…。結芽はなんて…?」


昨日のことを全部言わないほうがいいよな…?


「応援してくれるって。結芽、やっぱり根は昔と変わらずいい子だと思うぞ?」


昨日、そう実感した。


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