かわいい王子VS鈍感な姫
…あれ?


もしかして…


「…蒼?」


正面から見てないから合ってるかはわからないけど、そんな感じがした。


「え?蒼?…蒼って後輩の…?」


良平は俺に聞いてきた。


俺は扉の方を指差す。


「あ…蒼だ…。」


良平はつぶやく。


俺の見間違いじゃないんだな。


さっきより大きい声で言う。


「…蒼?」


蒼は反応してこっちを見た。


「あ…森先輩!井川先輩!」


「「蒼!」」


俺たちは蒼に駆け寄った。


「蒼!なんで桜高にいんの!?蒼なら推薦来るだろ?」


良平もうなずいている。


「推薦来ましたよ?北商とか月大附属から。」


蒼の言葉が聞こえた男バレ部員はざわついた。


それくらい強い高校で北商は県でベスト4の高校、月大附属は隣りの県の強豪校だ。


なんでそんなとこ蹴って、桜高来てんだよ!


「七海と良平の知り合いか?」


「「部長!」」


部長が来た。


< 168 / 204 >

この作品をシェア

pagetop