かわいい王子VS鈍感な姫
更衣を終えた蒼が戻ってきた。


「集合!」


「「「はい!」」」


俺たちは素早く集まる。


「さっきのやりとりをみんな聞いてたとは思うが改めて自己紹介をしてくれ。」


「はい!1年3組松嶋蒼です!スパイクが得意です。よろしくお願いします!」


そういえば、蒼のスパイクって重たいし速いし成功率高いんだよな。


俺たちが引退してから蒼が引退するまでの1年でもっと上手くなったんだろうなぁ。


なんせ推薦くるくらいだし。


「じゃあみんなは練習に戻ってくれ。蒼は実力を見せてもらう。解散。」


「「「はい!」」」


メニューは変わり、俺たちはサーブ練習を始めた。


端の方で蒼は部長と1対1で色々打っている。


早く蒼と…そして良平と一緒に試合したいな…。


そう思いながらひたすらサーブを打ちまくった。


郁の「休憩!」という声が聞こえる。


俺はコートを出て荷物のある場所に座りお茶を飲もうした、その時…


バシッ━


ボールが床にたたき付けられるすさまじい音が響いた。


絶句してしまうくらい強烈なスパイク…。


ブランクなんてこれっぽっちも感じられないほどだと誰もが思った。


< 170 / 204 >

この作品をシェア

pagetop