かわいい王子VS鈍感な姫
部屋へ行き、制服を脱ぎ捨て適当な服を着る。


洗面所で顔を洗いタオルで吹く。


家の鍵をしめ、お隣りの呼鈴を鳴らす。


ピンポーン━


「は~い!」


おばさんの声が聞こえた。


「七海です。おばさん、入っていい?」


「ななくん♪開いてるから入って!」


俺は「おじゃましま~す。」と言いながら入った。


「七海~、お兄ちゃん部屋にいるから行っていいよ!後でジュース持っていくね?」


ジュース!?


郁に聞かれちゃうじゃん!


「あっ、俺が持ってくよ!」


「え!?いいよ!あたしが持っていくから!ね?」


う…。


郁に頼まれたら断れない…。


「わかった…。ありがとな。」


俺はしぶしぶ寿兄の部屋に行った。


これがいわゆる『惚れた弱み』ってやつか?


コンコンッ━


ドアをノックした。


「入っていいぞ~!」


寿兄の許可をもらい入る。


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