かわいい王子VS鈍感な姫
郁が今度こそ下に行き、寿兄はゆっくり口を開いた。


「だいたい話はわかるよ。告ろうと思ってるんだろ?」


俺はうなずいた。



「いいんじゃないか、それで。1年前より男らしくなったよ。正直、七海はいつまで経っても郁に言えないままなんじゃないかって心配してたんだ。」


寿兄の言う通りかもな…。


いままでの俺なら、絶対決意することすらできないままだった。


「ありがとう。さて、告ってこようかな!」


「え!?」


俺の言葉が予想外だったのか、寿兄はかなり驚いている。


「今日告るのか!?」


「実を言うと、本当はまだ言うつもりはなかった。でも寿兄に話していくうちに、いつかって思ってたら絶対言えないなって。今しかないなって。」


決心が変わらないうちに言わなきゃ…


俺は郁にずっと言えない…。


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