かわいい王子VS鈍感な姫
「たった1年の間で人は成長するもんだな。よし!七海…わが鈍感な妹に男らしいところ見せてやって!」


男らしいところ見せにいきますか…!


「寿兄…行ってきます!」


「行ってらっしゃい!」


寿兄に見送られ、俺は下に行った。


「郁、いる?」


「郁ならコンビニ行くって出かけたわよ?」


おばさんが答えてくれた。


「ありがと。おじゃましました!」


勢いよく郁の家を出て道路に足を踏み入れた時…


「七海!」


…へ!?


俺の家と郁の家の境に郁はいた。


「なんで!?」


「話があるから待ってたの。そろそろ出て来るかなって思って。」


予想外な展開…。


「俺も話あるし。…俺の家行く?」


「じゃあ、行こっか。」


俺は家の鍵を開けて郁を中にいれた。


リビングのソファーに座る。


「郁の話は何…?」


俺たち以外誰もいない家。


声が響く。


「七海から言って?」


「じゃあ…。俺さ…中学の時からさ…郁のこと…」


< 177 / 204 >

この作品をシェア

pagetop