かわいい王子VS鈍感な姫
『ななちゃんのことが…』


ん?


ななちゃん!?


「郁!」


「何?」


郁はそう言いながら俺から離れた。


「『七海』って呼ぶのやめたのか!?」


「ぷっ…ななちゃん、気付くの遅いよ~!あたしの話も含めて話していい?」


俺は「うん。」と言った。


「実は昨日の夜に結芽ちゃんから電話がかかってきてね…」


昨日の夜って…告られた後…?


「なんだろうな~って思って話してたら、いきなり『なな兄に告ったんだ!』って言われたの。」


結芽、言ったのかよ…。


「その瞬間、ななちゃんが結芽ちゃんと付き合うかもって思ったらすごくショックで…『フラれちゃったけどね!』って聞いて安心した。で、気付いたの。あたしはななちゃんが好きなんだって。」


ってことは…


「俺を好きなのって昨日から!?」


「たぶん違うよ?体育祭の時、泣いちゃったのもななちゃんが好きだからだと思う。気付かなかったのは…あたしが鈍感ってこともあるけど、ずっと一緒にいたからじゃないかな?」


そうかもな…。


俺は自覚したの中学生になってからだけど、本当はもっと前からかもしれない。


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