かわいい王子VS鈍感な姫
「あー俺、南高受けるんだ。」
俺はとっさに男子校の高校名を言った。
すべり止めで受ける予定の高校だから、嘘は言っていない…よな。
「南高って男子校だよね~。嘘~!一緒の高校行けないじゃん…。」
「ショック…!」
ふぅ。
郁が一緒なんだから男子校が本命なわけないのに、みんな気づいてない。
「…あれ?3人って七海くんと良平くんと郁葉だよね?郁葉も同じ高校なら男子校のわけないよ?」
バレたか…。
男子校の名前言うなんて…俺、バカだな…。
「ほんとだ~。ねぇ、七海くん!本当はどこなの?」
「南高はすべり止めなんだ。本命は…教えない。」
「えーっ!教えてよぉ!」
『教えて!』という声が四方八方から聞こえる。
うるせぇ…。