かわいい王子VS鈍感な姫
「ん?」


「はい!…頑張ってね!」


そう言いながら郁は俺の手に何かを持たせた。


俺はそっと手を広げる。


「これ…」


手には手作り感が溢れる可愛らしいお守りがあった。


「作ったの!これがあればななちゃんはけがしない!大丈夫!」


笑顔で言った。


やばい…!


うれしい…!


「郁!ありがとう!試合中も肌身はなさず持っとくから!」


俺はポケットにいれた。



「みんな!試合だ!ベンチに行くぞ!」


「「「はい!」」」


俺たちはコート横のベンチに行った。


「1回戦は主に3年5人と七海でいく。」


俺!?


「俺ですか!?」


自分を指差し言う。


「七海はセッターだから必要なんだ。頼んだぞ!」


「…はい!」


『桜高校対長岡高校の試合を始めます』


長岡高校は予選で2位通過したチームだ。


油断は禁物。


コートに入り試合を開始した。


< 184 / 204 >

この作品をシェア

pagetop