かわいい王子VS鈍感な姫
「いえ!俺たちもご飯食べたら見に行こうと思っていたんです。ぜひ…!」


良平が言った。


部長の暗くなっていた顔がパァっと明るくなる。


「ありがとな!ご飯食べたら見に行こう!」


「「「はい!」」」


俺たちはご飯を食べて、ギャラリーに入った。


ちょうど都倉がベンチに入ったところだ。


都倉の相手は…俺たちがさっき試合した長岡と同じくらいの実力を持った学校だろう。


試合が始まった。


都倉の選手を見ると昨年コートに入ってた奴がベンチにいる。


やっぱり俺たちと同じように温存か…?


流れを見ると、確かに強いが明らかに本気を出していない。


スパイクのスピードなんて都倉らしくない。


「やっぱり本気じゃないか…。あまり参考にならないな。」


部長も同じことを思っていたらしい。


「都倉って初めて見るんですけど、優勝校なんだからもっと強いですよね?」


あっ…そっか。


蒼は都倉を見たことないんだっけ。


「都倉の力はこんなもんじゃないよ。蒼に見せたいけど2回戦も本気出さないだろうしなぁ…。」


「昨年のビデオ見せればよかったな…って、郁ちゃん持ってないっけ?」


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