かわいい王子VS鈍感な姫
ベンチに座った。


「改めてベスト4おめでとう!」


郁の笑顔に心が和んだ。


「ありがと。でも、蒼のおかげだと思うんだ…。蒼がいたからみんな都倉のスパイクがとれて…蒼がいたから都倉に勝てた…。」


蒼がいなかったら…都倉にかてなかっただろうなぁ…。


「確かにそうかもしれないけど…蒼くんがスパイク打てたのはななちゃんがあげてるからでしょ?」


それは…そうだけど…。


「それに蒼くんが桜高に入ったのはななちゃんと良平くんがいるからだったよね?ななちゃんも立派に活躍したんだよ…!」


郁…。


「ななちゃんはかっこよかったよ…!誰かにとられちゃわないか不安になるくらい…!」


そんな不安に思わなくていいよ…。


俺は…


「郁しか見えてないよ。ずっと郁への気持ちは変わらない…!」


そっとキスをした。


「…今も…不安?」


郁は口を手でおさえて、首を横に振った。


よかった…。


「明日も頑張ってね!ななちゃんがどんなにかっこよくても、ななちゃんの彼女だって胸をはるから♪」


…あの日…気持ちを伝えてよかったよ…。


郁が彼女で本当に幸せだから…。


「…おう!」


たくさんの星が見守る中で…

俺たちはまた…


キスをした…。


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