かわいい王子VS鈍感な姫
★第7章 《10年後》
10年後━


「ねぇパパ!これなぁに?」


「ん?これはパパがバレーボールで1番になった時のメダルだよ!」


そう…。


高校生の時の思い出のつまった…頑張った証…。


「パパすごいね!」


「パパだけの力じゃないんだよ?蒼と良平も頑張ったんだ…。」


な?蒼…良平…先輩!


「蒼おっちゃんと…りょう…へい…?」


瑞葉には良平じゃわからないか…。


「お隣りの蓮のパパだよ。」


「蓮くんのパパも?」


「そうだよ!蓮のパパもメダル持ってるんだ。」


良平のことだから、2年の時のと3年の時のと2つとも綺麗に保管してるんだろうなぁ。


「見に行きたい!みず、蓮くんのおうち行ってくるね~!」


瑞葉は玄関に走り出した。


「え!?…仕方ないなぁ。郁!良平の家行ってくる!」


「いってらっしゃい!良平くんと雫ちゃんによろしくね!」


郁はあの頃と変わらない笑顔で言った。


「あぁ!行ってきます!瑞葉?ママに行ってきますは?」


俺が優しく言うと、瑞葉は郁とそっくりの笑顔で…


「ママ!行ってきます!」


瑞葉…


郁…


2人とも大好きだよ…!


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