かわいい王子VS鈍感な姫
すごいけど…一番はじめってなんか嫌じゃないか…?
「…俺は34番だから2組なら『1234』だぜ?2組がよかったよ。」
2組なら…郁と同じクラスだったのに…。
「2組がいいのは『1234』がいいからじゃなくて郁ちゃんがいるからだろ?」
良平には何でもわかるみたいだ。
「まぁな。」
俺は中学では男子から郁を守ってた。
でもそれは3年間同じクラスだったからできたこと。
違うクラスになった今死角が生じる。
本当に守らなければならない時に守れないかもしれない。
「じゃあ、入学式に行くわよ!式中は静かにね!」
柳川先生はそう言って俺らを体育館まで誘導した。
「もうすぐ入場するからね。着席と言われるまで座らないこと!」
『第37回 桜高校入学式を…』
体育館の中からアナウンスが聞こえる。