かわいい王子VS鈍感な姫
『24-20』
4点差をつけて、桜高はマッチポイント。
あと1点で1セットとることができる。
サーブは先輩。
バシッ━
レシーブ…トス…都倉からのスパイクがくる…!
バシッ━
ボールは…
相手のコートに転がっていった。
五十嵐部長と良平のブロックが決まったのだ。
『25-20』
1セットとった。
俺たちはメンバー1人1人とハイタッチをし、ベンチに戻る。
「みんな、よく頑張った。この1セットは大きいぞ!…と言いたいんだがな…。」
五十嵐部長は言った。
五十嵐部長が『この1セットは大きい』と胸を張って言えない理由…
「都倉は俺たちの実力を見ていた。つまり…様子見といったところ。はっきり言えば…本気を出していない。…ですよね?」