かわいい王子VS鈍感な姫
それから5分くらいして、おばさんが来た。
郁は助手席に俺と良平は後ろに乗った。
「ななくん…!大丈夫なの!?」
おばさんは急いで来てくれたことがわかるくらい、かなりの汗を流しながら言った。
「ねんざだから大丈夫だよ!おばさん、心配ありがとう…!」
「ふぅ~安心したわ。郁の電話じゃ、骨折くらいまでいってそうな感じだったから…。」
骨折…?
「郁、骨折なんて言ってないよ!」
「あらあら。すごく必死な声だったから、てっきりそう思っちゃったわ!郁は昔からななくんのことには必死になるものねぇ~。」
俺のことになると必死に…?
ちょっと期待しちゃってもいいのかな…?
「ママ!余計なこと言わないの!ななちゃんは大切な幼なじみだからだっていつも言ってるでしょ!?」
…期待し始めて10秒も経ってないのに…。
まぁ、わかってることだけど…傷口に塩をぬられた感じだな…。