かわいい王子VS鈍感な姫
「ふふっ!そうだったわね♪はい、ななくんの家着いたわよ!あっ、おばさんが保険証とってくるから待っててね。」
「おばさん、保険証どこにあるか知ってんの!?」
俺でさえ、知らないのに!
「知らないからくるみに電話したんだけど出なくて…。」
くるみとは母さんのことだ。
おばさんと母さんは中学からの親友。
信頼関係も強く、いつでも遊びに行けるようになのかわからないけど…お互いの家の合鍵まで持っている。
合鍵なんてあんまりいらないと思うけど…。
「じゃあ、俺も探すよ。」
「いや、ななくんは安静にしてて?おばさん、くるみが置いてそうな場所探してくるから!」
おばさんはそう言って、ポケットから噂の合鍵を出し俺の家に入っていった。
おいおい…。
親友だからって…置きそうなところとかわかるのか…?
見つけだすのに、最低でも10分はかかるだろうな…。
郁も良平も何も言わないけど…疑問に思ってるのって…俺だけ?
そう思っていると、おばさんが出ていって1分経ってやっと2人は口を開いた。