かわいい王子VS鈍感な姫
「あ…ありがとう…。」
「いいのよ!それより、あたし速かったでしょ?」
満面の笑顔で聞いてくるおばさんに、郁がタオルを渡しながら言った。
「速かったぁ!ママ天才だね!」
天才って…言い過ぎだろ…。
「えへっ♪くるみが置きそうなところを探したら一発だったの~!」
一発!?
おばさんってすげぇ…。
「それより、ななくんを病院に連れて行かなくちゃね!どこの病院行く?」
「どこにしよ…。俺、ねんざ初めてだからわかんなくて…。」
ねんざって接骨院…だっけ…?
「七海、はしもと接骨院はどうだ?俺中1の時に行ったけど、結構いい感じだったし。」
そういえば…良平、中1の時にバレーをしていてねんざしてたっけ。
「じゃあ、そこで!」
俺たちははしもと接骨院に向かった。