綿菓子と唐辛子


「っあーーーーーー!!!!」

「ひゃあ?!」


くすぐったくてたまらなくなって、教室中に響きわたる声で叫んでしまった。

その瞬間にビクッと震えるヒメから、俺は一気に離れる。


っ、もう、もう、やだ……。


「…ど、どーしたの?ナツ…」

「だめだ、俺、なんか、余裕ない」

「へ?」


ヒメの大きい目から、見られる度に。

なんか、こう、じわじわと身体の奥から、心の奥から何から溢れてくるようで。



「…ダメだ、この勢いで…」

「え?」

「…キス、とか、したくなるから」

「…っ!」



ものすごく、変な気持ちになっていく。





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