綿菓子と唐辛子



茶髪にピアスの男と、その他数人に囲まれて小さくなっているヒメに痺れを切らして、俺はフランクフルトを持ってその場に向かった。


「…ヒメ、お待たせ」


男嫌いなヒメが怖がらないように、左腕で肩を抱いて、引き寄せる。


チラリと奴らの方を見た。

きょとんとした顔をしていた。だけど、そいつはそのまま表情を崩して俺を見た。


「あー!彼氏さんですね!」


ポンッと、グーで手のひらを叩く茶髪ピアス男。

なんだその古典的なリアクション。


「ヒメの友達ですか?割り込んですみません」


くっそー。こんなの慣れてないのに。



「そうそう〜〜。俺ら、相坂さんの元クラスメートっす」

「そうすか。せっかくの再会なのにすんません」


ありったけの笑顔を貼り付けて、ヒメの身体をグググ…と自分の方に寄せた。



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