綿菓子と唐辛子
「ヒメ、これ、せっかく買ったのに冷めちゃうし。向こうで食べる?」
なーんか。
こいつらと、ヒメをあまり一緒に居させたくない。
そんな心理が働いてしまった。
これは、俺の本能が何か騒いでいるのか、ただのヤキモチなのかよく分からなかったけど。
とりあえずは、どこかに行きたい。
「う、ん…そうするか。わたし、お、お箸とストロー貰ってくる…!」
気まずさから逃げるように、その場を去ってお店に戻るヒメ。
いやいや、お箸もう持って来たんだけど、俺が。
「…」
残されたヒメの友人たちと俺。
気まずさで死にそうだ。
あー、なんか話すべき?
なんて、思った時、茶髪ピアス男は、駆けていくヒメを見ながら呟いた。
「…彼氏さん、よくあの子と付き合いましたね」
「は…?」