綿菓子と唐辛子
「…ヒメ、あの」
「…」
…なんだ。
なんなんだよ。あいつ。
なんで、あんな余裕な顔で俺を見るわけ。
どうして、やめとけとか言うのか。
俺が、どうして傷つくことになるのか。
何が、お大事にね、なのか。
よく分からない。
あいつは、ヒメの秘密を知ってる…?
でも、なぜだ。
「ヒメ、いいから、先に食べよう。冷えちゃうよ」
「あ…、うん」
…でも、これだけは確かなんだ。
ヒメは、まだ俺に何かを隠してる。
それは、もちろん無理に聞こうとは思わないし、あいつはヒメの元クラスメートなら、知っていることがあってもおかしくはない。
それは分かってる。
でも、
「…っ」
それが、俺は悔しくて悔しくて、たまらなかったんだ。