綿菓子と唐辛子
聴いた話によると、ヒメの誕生日は9月20日らしく。
あと2週間後くらいにまで迫っていた。
「20日だったら、土曜日じゃん!ナツと二人でどっか出かけてくれば?」
「えっ…」
崎守の提案に、顔を赤くするヒメ。
もちろん2人で祝うつもりだったけれど、その顔を見て、俺の心臓はまた跳ねあがる。
「…俺と、2人の誕生日でもいい?」
きゅっ、と
音をあげるように搾り取られる心臓。
いまだに、ヒメと話すと自分の体温が上がるのが分かる。
「うん…ナツと一緒にいる」
「あ…そう」
「…っ」
可愛すぎる反応に、思わず頭を撫でた。
もう、なんかほんとに…
「…幸せすぎて死にそう…」
「しね!!!!!!」
バシッ、と、飛んでくる雑誌。
イテェな、と思って前を見ると、顔をしかめた勇哉の顔。
ヒメと崎守はお昼の飲み物を買いに、購買に行ったあとだった。