綿菓子と唐辛子


「プレゼントとかも、あげたってことだよな?」

「あー、まぁ、そうだな。ネックレス欲しいって言ってたからネックレスやった覚えはあるな」

「ふーん」


勇哉のくせに、いろいろ経験しているようで驚く。
2ヶ月足らずの彼女でさえも、いたぶんだけ俺よりは経験値は上なわけで。


「なに、相坂にはなにをあげるつもりなわけ?」

「は?まだ考えてもねーよ」


ヒメにあげるプレゼントなんて、きっとこの世で予想が難しいものだ。

普段はあんなだけど、中身は女の子なわけで、そっちを重視したものにすれば良いのか。

それとも、学校でも気にせず使えるものがいいのか。

そこのところも、よく分からない。


「いいじゃん、『プレゼントは俺♡』とか言って、リボン巻いて玄関の前立ってろよ」

「あほか、捕まるわ。お前、テキトーに言ってんな?」

「はは、バレたか」


…でも、ヒメが生まれた大切な日なのであれば、何かしら思い出に残ることをしてあげたい。


そう思うと、なかなか決めることは出来なかった。



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