綿菓子と唐辛子


——————…



1週間後。


いつも通り学校に来ていた俺は、普段は買わない雑誌を広げてそれを読み漁っていた。


「おはよーナツ…って、こわ!なにその本の量?!」


結局、王道の誕生日デートスポットは遊園地とか水族館か…。

まぁ、ここらへんはそんなに都会でもないから、どっちにしろ都心に出なきゃいけないのは分かってるんだけれども。


「だーっ!決まらねぇー!」


ヒメの誕生日まで1週間を切っている。
今日が月曜日で、今週の土曜日が当日。

それまでに、色々決めなきゃいけないのに、悩めば悩むほど訳が分からなくなるばかりで。


「もーなんなんだよ、お前。この間は水族館でいいや〜とかほざいてたじゃん」

「…」


呆れながら、机に座る勇哉。
こういうところだけ妙な余裕があって、腹が立つ。



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