綿菓子と唐辛子


ヒメが今日足を運んでいると聞いた場所までは、およそ1時間ほどかかった。


午前中に出発して、着いたのはお昼頃。


何も知りたくなくて、ネットニュースも見なかった。

けど、いずれまた、ニュースになって大々的に報道されるのだろう。



…今日の、判決について。






裁判所に着くと、そこにはもう数人の報道陣がいたのが確認できた。

きっとこれは、2年前に騒がせた大々的ニュースの判決が出るということで集まっているのだろうし、今後さらに増えてくることは予想できた。




「…すげーな………」




こういうのを見ると、自分が今おかれている状況が飲まれてしまうんじゃないかと思えてくる。


「まぁ、事件当初にしてみれば全然だよ。今は実家に張り込むこともなくなったしね」

「…」

「こんな田舎だからって…、踏ん反り返りやがって」


ヒメをあまり動揺させたくないのか、少しイラついている本郷。

俺たちは、いつ終わるか分からない裁判を、近くにあった公園で待つことにした。





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