綿菓子と唐辛子
それから15分くらいが経って、ヒメは家に帰ってきた。
何も言わずに、ただ「ただいまー」とだけ、言って。
そこからは、三人でお茶を飲んで、学校での話とか、今までのこととか、どっちが好きになったのとか、そんな話で盛り上がった。
ヒメのお母さんは、本当のヒメと同じで女の子特有の話題が大好き。
平気で恋愛のアレコレを聞いてきた。
「へー、じゃあ、姫芽とナツくんは、お互い同じ時期に好きになったんだね!」
「ちょっ…、やめてよお母さん!」
二人だけど、仲良しで賑やかな家族。
俺もいつか、この輪の中に、本当の家族として入ることができたらいいのにな。
…なんてことを、考えてしまった。