綿菓子と唐辛子






「何照れてんだよ、可愛いな」

「だから可愛くないってば!」

「ははっ」


柔らかくて、甘い“綿菓子”みたいなヒメも、間違いなくヒメなのだから。



「…じゃ、ちゃんとお風呂入って寝ような。明日また朝早いんだから」

「んー…わかったよ」




口を尖らせて、少しだけ赤い顔をしながら俺の方を向くヒメがまた可愛くて、愛しくて。


もう一度腕を伸ばして、そのままキュッと抱きしめた。





これからは、俺のものだ。ずっと。

もう、誰のものにもしたくない。




「…ヒメ、愛してる」




だから、ヒメ。

これからも、何があっても、俺のところにまっすぐ、まっすぐ向かってきて欲しいんだ。



「…うち…、わたしだって、ナツのこと愛してるよ」




俺が、俺の生涯かけて、初めて全てを守りたいと思った女の子なんだから。











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